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クラウド型WAFとは?仕組みや防げる攻撃を解説!

クラウド型WAFは、WAF(Web Appilcation Firewall)のクラウド版を指し、Webアプリケーションを運用する多くの企業で導入が進められています。しかしながら、クラウド型WAFが通常のWAFと比べてどのように異なるのか、またどのような点に注意を払い、導入すべきか戸惑いを感じる担当者の方は多いはずです。

そこで本記事では、クラウド型WAFの仕組みや導入時の比較ポイントについて詳しく解説していきます。本記事をお読みいただくことで、クラウド型WAF導入のポイントを理解し、自社のセキュリティ強化に役立てられるようになりますので是非とも最後までお読みください。

クラウド型WAFとは?

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クラウド型WAFとは、WAFのクラウドベースのサービスを指します。従来のWAFは、オンプレミスでの導入が一般的でしたが、クラウド型WAFはインターネットを介して提供されるため、企業は自社のインフラに依存することなく、セキュリティ対策を強化することができます。

クラウド型WAFの導入は、スケーラビリティやコスト効率の面でも優れています。企業は必要に応じてリソースを調整できるため、急激なトラフィックの増加にも柔軟に対応できます。このように、クラウド型WAFは、現代のWebアプリケーションにおけるセキュリティの重要な要素となっているのです。

参考: WAFとは?仕組みや種類、メリット、注意点を解説!

クラウド型WAFの仕組み

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クラウド型WAFは、Webアプリケーションを保護するためのセキュリティソリューションであり、クラウド環境で提供されるため、企業は自社のインフラに依存せずに導入することができます。

クラウド型WAFは、通常、2つの主要な検知方式を採用しています。一つはシグネチャベースの検知で、既知の攻撃パターンをデータベースに基づいて識別します。もう一つは異常検知で、通常のトラフィックパターンから逸脱したリクエストを検出します。この二つの方式を組み合わせることで、より高い精度で攻撃を防ぐことができます。

導入方法については、クラウド型WAFは一般的にサービスプロバイダーが提供するプラットフォーム上で動作します。企業は、必要な設定を行い、DNS設定を変更することで、すぐに利用を開始することができます。

ここでは、クラウド型WAFの検知方式と導入方法について解説します。

検知方式

クラウド型WAFの検知方式は、主に「シグネチャベース」「異常検知ベース」の2つに分類されます。

シグネチャベースは、既知の攻撃パターンをデータベースに登録し、それに基づいてトラフィックを監視する方法です。この方式は、特定の攻撃に対して非常に効果的ですが、新たな攻撃手法には対応できない場合があります。

一方、異常検知ベースは、通常のトラフィックのパターンを学習し、それから逸脱した動きを検知する方法です。この方式は、未知の攻撃や新たな脅威に対しても柔軟に対応できるため、より高いセキュリティを提供します。しかし、誤検知のリスクも伴うため、運用には注意が必要です。

さらに、これらの検知方式を組み合わせて使用するクラウド型WAFが増えています。これにより、既知の攻撃に対する防御率を高めつつ、未知の脅威への対応のほか、誤検知のリスクも低減できる体制を整えることが可能になります。

導入方法

クラウド型WAFの導入は、従来のWAFと比べて比較的簡単で迅速に行えるのが特徴です。

まず、導入を検討する際には、サービスプロバイダーを選定することが重要です。オンラインによる申し込みが可能で、数ステップで申し込みから設定を完了できるクラウド型WAFもあります。

次に、選定したサービスの管理コンソールにアクセスし、必要な設定を行います。一般的には、ドメインの登録やトラフィックのルーティング設定を行うことで、WAFが機能し始めます。この際、DNS設定の変更が必要になることが多いため、事前に確認しておくとスムーズです。

さらに、導入後は、実際のトラフィックを監視し、必要に応じてルールの調整を行うことが求められます。

多くのクラウド型WAFは、リアルタイムでのログ分析やアラート機能を提供しており、これを活用することで、攻撃の兆候を早期に発見し、適切な対策を講じることが可能です。

クラウド型WAFのメリット

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クラウド型WAFは、次のようなメリットを提供します。

  • 簡単に導入できる
  • 専門家が不要

ここでは、各メリットについて解説します。

簡単に導入できる

クラウド型WAFの最大の魅力の一つは、その導入の容易さです。従来のオンプレミス型WAFでは、ハードウェアの設置や設定、運用管理に多くの時間とリソースが必要でした。

しかし、クラウド型WAFはインターネットを介してサービスを提供するため、物理的な設備を必要とせず、迅速に導入することが可能です。

さらに、クラウド型WAFはスケーラビリティにも優れており、トラフィックの増加に応じて自動的にリソースを調整することができます。これにより、急なアクセス増加にも柔軟に対応でき、安定したサービスを提供することが可能です。

専門家が不要

クラウド型WAFの大きな利点の一つは、専門的な知識や技術を持つ人材がいなくても導入・運用が可能である点です。

クラウド型WAFはその名の通り、クラウド上で提供されるため、ユーザーは複雑な設定を行う必要がなく、直感的なインターフェースを通じて簡単に管理ができます。

さらに、クラウド型WAFのサービスプロバイダーが提供するサポートやドキュメントも充実しており、導入後の運用においても困った際には迅速に対応してもらえる体制が整っています。

クラウド型WAFのデメリット

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クラウド型WAFは多くの利点を持つ一方で、次にあげるようなデメリットも存在します。

  • サービスの質がベンダーに依存
  • 全ての攻撃を防げるわけではない

ここでは、各デメリットについて解説します。

サービスの質がベンダーに依存

クラウド型WAFの最大のデメリットの一つは、そのサービスの質が選択したベンダーに大きく依存する点です。

具体的には、各ベンダーが提供するWAFの性能や信頼性、サポート体制は異なり、これが自社のWebアプリケーションのセキュリティに直接影響を及ぼします。

また、ベンダーのサービスがダウンした場合、自社のWebアプリケーションが攻撃にさらされるリスクだけでなく、通信障害の影響も考慮しなければなりません。

特に、クラウド型WAFはインターネットを介してサービスを利用するため、ネットワークの障害やサーバーのトラブルが発生すると、通信障害の影響を受けることになります。

このような状況に備えるためには、信頼性の高いベンダーを選ぶことが重要です。

全ての攻撃を防げるわけではない

クラウド型WAFは多くの攻撃からWebアプリケーションを保護する強力なツールですが、全ての攻撃を防げるわけではありません

特に、WAFは主にHTTP/HTTPSトラフィックを対象としているため、これらのプロトコルを利用しない攻撃には無力です。

例えば、DNS攻撃やDDoS攻撃など、アプリケーション層以外の攻撃手法には対応できない場合があります。

さらに、WAFはシグネチャベースの検知を行うため、新たに発生した攻撃手法やゼロデイ攻撃に対しては即座に対応できないこともあります。これにより、攻撃者が新しい手法を用いた場合、WAFがそれを検知できずに侵入を許してしまうリスクが存在します。

クラウド型WAFを比較時のポイント

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クラウド型WAFを導入する際には、次にあげるポイントを比較検討することが必要です。

  • 導入目的の確認
  • 機能を確認する
  • サポートの充実度で選ぶ
  • 料金・価格相場を確認する
  • シグネチャの更新速度で選ぶ
  • 防御できる攻撃の種類で選ぶ

ここでは、各比較項目について解説します。

その1: 導入目的の確認

クラウド型WAFを導入する際には、まずその目的を明確にすることが重要です。企業がWAFを導入する理由はさまざまですが、主に以下のような目的が考えられます。

1. セキュリティの強化

Webアプリケーションはサイバー攻撃の標的になりやすく、特にSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃に対して脆弱です。クラウド型WAFを導入することで、これらの攻撃からアプリケーションを守ることができます。

2. コンプライアンスの遵守

多くの業界では、データ保護やプライバシーに関する規制が厳しくなっています。クラウド型WAFを利用することで、これらの規制に対応し、顧客データを安全に保護することが可能です。

3. 運用コストの削減

自社でWAFを運用する場合、ハードウェアやソフトウェアの管理、専門知識を持つ人材の確保が必要です。クラウド型WAFを導入することで、これらのコストを削減し、運用の負担を軽減することができます。

導入目的を明確にすることで、選定するWAFの機能やサービス内容がより具体的になり、自社に最適なソリューションを見つけやすくなります。

その2: 機能を確認する

クラウド型WAFを選定する際には、製品機能を確認することが重要です。WAFは、Webアプリケーションを保護するための多様な機能を提供しており、これらの機能が自社のニーズに合致しているかどうかを見極める必要があります。

まず、基本的な機能としては、SQLインジェクションやXSSなどの一般的な攻撃からの防御が挙げられます。これらの攻撃は、Webアプリケーションに対して非常に危険であり、適切な防御策が講じられていない場合、重大な情報漏洩やサービスの停止を引き起こす可能性があります。

次に、リアルタイムのトラフィック分析機能も重要です。これにより、異常なトラフィックパターンを即座に検知し、迅速に対処することが可能になります。また、ログ管理機能も欠かせません。攻撃の履歴を記録し、後から分析することで、さらなるセキュリティ対策を講じるための貴重な情報を得ることができます。

さらに、カスタマイズ可能なルール設定や、特定のビジネスニーズに応じたフィルタリング機能も考慮すべきポイントです。

クラウド型WAFの機能をしっかりと確認し、自社のセキュリティ要件に最適な選択をすることが、効果的なセキュリティ対策につながります。

その3: サポートの充実度で選ぶ

クラウド型WAFを選ぶ際には、サポートの充実度も重要なポイントです。

特に、セキュリティに関する問題は迅速な対応が求められるため、サポート体制が整っているかどうかを確認することが不可欠です。

具体的には、24時間体制でのサポートが提供されているか、問い合わせに対するレスポンスの速さ、専門的な知識を持ったスタッフが対応してくれるかどうかなどをチェックしましょう。

また、サポートの内容も多岐にわたります。例えば、導入時の設定サポートや、運用中のトラブルシューティング、さらには定期的なセキュリティレポートの提供など、どのようなサービスが含まれているのかを確認することが重要です。これにより、万が一の事態に備えた安心感を得ることができます。

その4: 料金・価格相場を確認する

クラウド型WAFを導入する際には、料金や価格相場を確認することも重要です。各ベンダーによって提供されるサービスの内容や価格設定は異なるため、比較検討を行うことで自社に最適な選択が可能になります。

まず、クラウド型WAFの料金体系には、月額料金や従量課金制、初期費用が発生する場合など、さまざまな形態があります。

月額料金は固定費として計上しやすい一方、従量課金制はトラフィック量に応じて変動するため、予算管理が難しくなることもあります。自社の利用状況に応じて、どちらの料金体系が適しているかを考慮することが必要です。

次に、価格相場を把握するためには、複数のベンダーから見積もりを取得し、比較することが効果的です。

特に、同じ機能を持つWAFでも、価格に大きな差があることがあるため、単に価格だけでなく、提供される機能やサポート内容も含めて総合的に評価することが求められます。

その5: シグネチャの更新速度で選ぶ

クラウド型WAFを選ぶ際には、シグネチャの更新速度も重要なポイントの一つです。

シグネチャとは、特定の攻撃パターンや脆弱性を識別するためのルールやデータベースのことを指します。サイバー攻撃は日々進化しており、新たな手法や脆弱性が次々と発見されています。そのため、WAFが最新の攻撃に対応できるよう、シグネチャの更新が迅速に行われることが求められます。

シグネチャの更新が遅れると、最新の攻撃手法に対して無防備になってしまう可能性があります。特に、ゼロデイ攻撃や新たに発見された脆弱性に対しては、迅速な対応が不可欠です。

したがって、クラウド型WAFを選ぶ際には、ベンダーがどの程度の頻度でシグネチャを更新しているのか、またその更新がどれほど迅速に行われるのかを確認することが重要です。

その6: 防御できる攻撃の種類で選ぶ

クラウド型WAFを選ぶ際には、どのような攻撃を防ぐことができるのか、その防御能力を確認することが非常に重要です。WAFは、さまざまな種類の攻撃からWebアプリケーションを保護するために設計されていますが、各ベンダーによって防御できる攻撃の種類は異なります。

一般的に、クラウド型WAFはSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、DDoS攻撃など、広く知られた攻撃手法に対して効果的な防御を提供します。しかし、特定のWAFがどの攻撃に対してどの程度の防御力を持っているのかを理解することが、選定の際には欠かせません。

さらに、最新の攻撃手法や脆弱性に対する防御能力も確認する必要があります。サイバー攻撃は常に進化しており、新たな手法が次々と登場しています。そのため、クラウド型WAFがどのようにして新しい攻撃に対応しているのか、またそのためのシグネチャやルールがどのように更新されているのかを把握することが求められます。

クラウド型WAFに関するよくある質問

Q1: クラウド型WAFとは?

クラウド型WAFは、WAFのクラウドベースのサービスを指します。従来のWAFは、オンプレミスでの導入が一般的でしたが、クラウド型WAFはインターネットを介して提供されるため、企業は自社のインフラに依存することなく、セキュリティ強化ができます。

Q2: クラウド型WAFのメリットは?

クラウド型WAFのメリットは、簡単に導入ができる点や専門家不要で活用できる点が挙げられます。

Q3: クラウド型WAFのデメリットは?

クラウド型WAFのデメリットは、提供されるサービス品質がベンダーに依存する点や、全ての攻撃を防げるわけではない点が挙げられます。

Q4: クラウド型WAFを比較時のポイントは?

クラウド型WAFを比較する際には、下記にあげるポイントを比較することが大切です。

  • 導入目的
  • 製品機能
  • サポートの充実度
  • 料金・価格相場
  • シグネチャの更新速度
  • 防御できる攻撃の種類

まとめ

クラウド型WAFは、Webアプリケーションを保護するための強力なツールであり、特に近年のサイバー攻撃の増加に伴い、その重要性が高まっています。この記事では、クラウド型WAFの基本的な仕組みや導入時のメリット・デメリット、比較時のポイントについて詳しく解説しました。

導入を検討する際には、自社のニーズに合ったWAFを選ぶことが重要です。特に、導入目的や必要な機能、サポート体制、料金、シグネチャの更新速度、防御できる攻撃の種類などをしっかりと確認することで、より効果的なセキュリティ対策を講じることができます。

クラウド型WAFを導入することで、専門的な知識がなくても簡単にセキュリティを強化できる一方で、サービスの質がベンダーに依存するため、信頼できるプロバイダーを選ぶことが求められます。全ての攻撃を防げるわけではないため、他のセキュリティ対策と併用することも忘れないようにしましょう。

今後もサイバーセキュリティの脅威は進化し続けるため、最新の情報を常にキャッチアップし、自社のセキュリティ体制を見直すことが大切です。クラウド型WAFを上手に活用し、安心してWebアプリケーションを運用していきましょう。

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