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ペネトレーションテストとは?言葉の定義やメリットについて解説!

インターネットの普及に伴い、ITシステムのセキュリティ対策にも注目が集まっており、定期的なペネトレーションテストの実施が注目されています。

本記事では、ペネトレーションテストの言葉の定義やその重要性について詳しく解説していきます。本記事をお読みいただくことで、ペネトレーションテストに関する理解を深め、自社のセキュリティ強化に役立てられるようになりますので、是非とも最後までお読みください。

ペネトレーションテストの定義とは?

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ペネトレーションテストとは、システムやネットワークのセキュリティを評価するために、実際に攻撃をシミュレーションして脆弱性を発見する手法です。

専門のセキュリティエンジニアが攻撃者の視点からシステムに侵入を試みることで、潜在的なセキュリティホールや弱点を明らかにします。

このテストは、単なる脆弱性診断とは異なり、発見された脆弱性がどの程度悪用される可能性があるかを具体的に評価する点が特徴です。

参考: 脅威ベースペネトレーションテスト(TLPT) | EGセキュアソリューションズ株式会社

脆弱性診断との違い

ペネトレーションテストと脆弱性診断は、どちらもITシステムのセキュリティを評価するための手法ですが、その目的やアプローチには明確な違いがあります。

脆弱性診断は、システムやネットワークに存在する潜在的な脆弱性を発見することを主な目的としています。

具体的には、既知の脆弱性データベースを基にシステムをスキャンし、脆弱性の有無を確認します。このプロセスは主に自動化されたツールを使用して行われ、短時間で広範囲のチェックが可能です。

一方、ペネトレーションテストは、発見された脆弱性を実際に攻撃者の視点から利用し、システムに侵入できるかどうかを確認する手法です。

これはより実践的なアプローチであり、攻撃シナリオをシミュレーションすることで、システムの防御力を実際にテストします。ペネトレーションテストは通常、専門のセキュリティエンジニアが手動で行い、攻撃の成功率や影響範囲を詳細に分析します。

ペネトレーションテストの種類

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ペネトレーションテストには、主に内部ペネトレーションテストと外部ペネトレーションテストの2種類があります。ここでは、各方法について解説します。

内部ペネトレーションテスト

内部ペネトレーションテストは、企業や組織の内部ネットワークに対して行われるセキュリティテストです。

このテストの目的は、内部からの攻撃や不正アクセスをシミュレーションし、内部ネットワークの脆弱性を特定することです。内部ペネトレーションテストは、従業員や内部関係者による意図的または偶発的なセキュリティ侵害を防ぐために重要です。

内部ペネトレーションテストのメリットは、内部からの攻撃に対する防御力を強化できる点です。例えば、従業員が誤ってマルウェアをダウンロードした場合や、内部関係者が意図的に機密情報を漏洩しようとした場合に備えることができます。

一方で、内部ペネトレーションテストを実施する際には、従業員のプライバシーや業務への影響を考慮する必要があります。テストの実施により、業務が一時的に中断される可能性があるため、事前に関係者と十分な調整を行うことが重要です。

外部ペネトレーションテスト

外部ペネトレーションテストは、企業や組織のネットワークやシステムに対して外部からの攻撃をシミュレーションする手法です。このテストは、インターネットを介して外部からアクセス可能なシステムやサービスに対して行われ、実際の攻撃者がどのように侵入を試みるかを検証します。

外部ペネトレーションテストの主な目的は、外部からの不正アクセスやデータ漏洩のリスクを特定し、セキュリティの脆弱性を発見することです。これにより、企業は事前に対策を講じることができ、実際の攻撃による被害を未然に防ぐことが可能となります。

外部ペネトレーションテストは、特にインターネットに接続されたシステムやサービスを提供する企業にとって重要です。

例えば、オンラインバンキング、Eコマースサイト、クラウドサービスなどは、常に外部からの攻撃のリスクにさらされています。定期的な外部ペネトレーションテストを実施することで、これらのシステムのセキュリティを強化し、顧客の信頼を維持することができます。

ペネトレーションテストの手法

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ペネトレーションテストには主に二つの手法があります。それぞれの手法は、テストの目的や対象システムの特性に応じて選択されます。ここでは、ホワイトボックステストとブラックボックステストについて解説して行きます。

ホワイトボックステスト

ホワイトボックステストは、システムの内部構造やコードを理解した上で行うペネトレーションテストの一種です。

この手法では、テスターがシステムのソースコードや設計図を参照しながら、潜在的な脆弱性を探し出します。具体的には、コードのレビューやユニットテスト、統合テストなどを通じて、システムの内部から攻撃をシミュレーションします。

ホワイトボックステストの大きな利点は、システムの内部構造を把握しているため、より詳細で精密なテストが可能になる点です。これにより、外部からは見つけにくい内部の脆弱性やバグを発見することができます。また、開発者とテスターが密に連携することで、迅速なフィードバックと修正が可能となり、セキュリティの強化に大いに役立ちます。

ブラックボックステスト

ブラックボックステストは、テスト対象のシステムやアプリケーションの内部構造や動作を知らない状態で行うペネトレーションテストの一種です。

この手法では、攻撃者の視点からシステムの外部から攻撃を試みることで、実際の攻撃シナリオに近い形で脆弱性を検出します。

このテスト手法の利点は、実際の攻撃者がどのようにシステムに侵入しようとするかをシミュレーションできる点です。これにより、システムのセキュリティ対策が実際の攻撃に対してどれだけ効果的かを評価することができます。また、内部の詳細な知識が不要なため、外部の専門家による客観的な評価が可能です。

ペネトレーションテストを実施するメリット

ペネトレーションテストを実施することには、いくつかの重要なメリットがあります。

まず第一に、システムの脆弱性を事前に発見できる点が挙げられます。攻撃者が悪用する前に脆弱性を特定し、修正することで、セキュリティリスクを大幅に低減することが可能です。

次に、セキュリティ対策の有効性を検証できる点も大きなメリットです。ペネトレーションテストを通じて、既存のセキュリティ対策が実際に機能しているかどうかを確認することができます。これにより、必要に応じて対策の見直しや強化を行うことができます。

さらに、法令遵守や規制対応の一環としても重要です。多くの業界では、定期的なセキュリティテストが求められており、ペネトレーションテストを実施することで、これらの要件を満たすことができます。

ペネトレーションテストを実施するデメリット

ペネトレーションテストは、システムのセキュリティを強化するために非常に有効な手段ですが、いくつかのデメリットも存在します。

まず、コストが高いことが挙げられます。専門的な知識と技術を持つエキスパートによるテストが必要なため、その費用は決して安くありません。特に中小企業にとっては、予算の制約が大きな課題となることが多いです。

次に、テストの実施には時間がかかることがあります。ペネトレーションテストは、システム全体を詳細に調査し、脆弱性を発見するために多くの時間を要します。

そのため、テスト期間中はシステムの一部が利用できなくなる可能性もあり、業務に影響を及ぼすことがあります。

さらに、テスト結果の解釈と対応が難しい場合があります。ペネトレーションテストの結果として得られるレポートは、専門的な知識がないと理解しづらいことが多いです。

そのため、結果を正確に解釈し、適切な対策を講じるためには、追加のリソースや専門家の助けが必要になることがあります。

ペネトレーションテストが有効な環境

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ペネトレーションテストは、特定の環境や状況において特に有効です。以下に、ペネトレーションテストが有効な環境をいくつか紹介します。

標的型攻撃による不正侵入対策

標的型攻撃は、特定の組織や個人を狙った高度なサイバー攻撃の一種です。

この攻撃は、通常のセキュリティ対策をすり抜けるために巧妙に設計されており、企業や政府機関などの重要な情報を盗むことを目的としています。ペネトレーションテストは、このような標的型攻撃に対する有効な対策の一つです。

ペネトレーションテストを実施することで、攻撃者がどのようにシステムに侵入し、どのような手法を用いるかをシミュレーションできます。これにより、システムの脆弱性を事前に発見し、適切な対策を講じることが可能となります。

特に、標的型攻撃は高度な技術を駆使して行われるため、通常のセキュリティ診断では見逃されがちな脆弱性を見つけ出すことができます。

不特定多数が利用する物理環境

不特定多数が利用する物理環境においては、セキュリティリスクが特に高まります。

例えば、公共のWi-Fiネットワークや共有のコンピュータ端末が設置されている場所では、多くの人々が同じネットワークやデバイスを利用するため、悪意のある攻撃者が容易にアクセスできる状況が生まれます。

このような環境では、ペネトレーションテストを実施することで、潜在的な脆弱性を特定し、適切な対策を講じることが重要です。

ペネトレーションテストを通じて、ネットワークの設定やアクセス制御の不備、デバイスのセキュリティ設定の甘さなどを発見することができます。これにより、攻撃者が悪用する可能性のあるセキュリティホールを事前に修正し、利用者の安全を確保することが可能となります。

貸与端末の紛失によるセキュリティリスク

ペネトレーションテストを実施することで、端末紛失時のセキュリティ対策がどれほど有効であるかを検証することが可能です。

例えば、データの暗号化やリモートワイプ機能の有効性、アクセス制御の適切性などを確認することができます。これにより、万が一の事態に備えた対策を強化し、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。

また、ペネトレーションテストを通じて、従業員に対するセキュリティ教育の重要性も再認識されるでしょう。端末の取り扱いに関する意識を高めることで、紛失や盗難のリスクを未然に防ぐことが期待されます。

セキュリティ対策製品の動作検証

ペネトレーションテストは、セキュリティ対策製品の動作検証にも非常に有効です。

企業や組織が導入するセキュリティ対策製品は、実際の攻撃シナリオに対してどの程度効果的に機能するかを確認する必要があります。

ペネトレーションテストを通じて、これらの製品が実際の攻撃に対してどのように反応するかをシミュレーションすることで、製品の強みや弱点を明確にすることができます。

クラウドサービスのアクセス範囲調査

クラウド環境では、データがインターネットを介してやり取りされるため、アクセス範囲の管理が非常に重要です。ペネトレーションテストを実施することで、クラウドサービスに対する不正アクセスやデータ漏洩のリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが可能となります。

まず、クラウドサービスのアクセス範囲調査では、どのユーザーがどのデータにアクセスできるのかを詳細に確認します。これにより、不要なアクセス権限が付与されていないか、または過剰な権限が設定されていないかをチェックします。

さらに、クラウドサービスの設定ミスや脆弱性を発見することも重要です。設定ミスにより、外部からの不正アクセスが可能になるケースも少なくありません。ペネトレーションテストを通じて、こうした設定ミスを早期に発見し、修正することで、セキュリティレベルを大幅に向上させることができます。

ペネトレーションテストの費用相場

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ペネトレーションテストの費用は、テストの範囲や深度、対象となるシステムの規模によって大きく異なります。一般的には、数十万円から数百万円程度が相場とされています。具体的な費用は以下の要素によって決まります。

まず、テストの範囲です。例えば、ウェブアプリケーションのみを対象とする場合と、ネットワーク全体を対象とする場合では、必要なリソースや時間が異なるため、費用も異なります。

次に、テストの深度です。簡易的な診断であれば比較的低コストで済みますが、詳細な診断や高度な攻撃シナリオを含むテストを行う場合は、専門的なスキルやツールが必要となり、費用が高くなります。

さらに、対象となるシステムの規模も重要な要素です。大規模な企業システムや複雑なネットワーク構成を持つ場合、テストにかかる時間や労力が増えるため、費用も高くなります。

ペネトレーションテストに関するよくある質問 

Q1: ペネトレーションテストとは?

ペネトレーションテストは、システムやネットワークのセキュリティを評価するために、実際に攻撃をシミュレーションして脆弱性を発見する手法を指します。

Q2: ペネトレーションテストの種類は?

ペネトレーションテストには、企業や組織の内部ネットワークに対して行われる内部ペネトレーションテストと企業や組織のネットワークやシステムに対して外部からの攻撃をシミュレーションする外部ペネトレーションテストがあります。

Q3: ペネトレーションテストが有効な環境は?

ペネトレーションテストは、標的型攻撃による不正侵入対策や不特定多数が利用する物理環境など様々なシチュエーションで有効となります。

まとめ

ペネトレーションテストを実施することで、システムの脆弱性を事前に発見し、適切な対策を講じることができます。

一方で、ペネトレーションテストにはコストや時間がかかるため、実施する際には慎重な計画と予算の確保が必要です。特に、テストの範囲や深度、対象システムの規模によって費用が大きく変動するため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

ペネトレーションテストを通じて、自社のセキュリティを強化し、安心してビジネスを展開できる環境を整えましょう。

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